〔この記事のまとめ〕
警察に行くのも重要ですが、弁護士に相談するか、または、地域の消費者生活センターに行くのも同じくらい重要です。事実関係について丁寧にお聞きしたうえで、一緒に解決方法を模索することになります。
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業者と何等かの契約をして、お金を払ったものの、「こんなはずじゃなかった」「聞いていない」「だまされてしまったようだ」と思った場合、まずはどうすればよいでしょうか。
最初に思いつくことは、警察に行くことでしょうか。
もちろん警察に行くことは重要ですが、警察は、「詐欺罪」などで立件できる場合(つまり、犯罪であることが疑われる場合)でなければ動こうとしてくれません。そのため、警察に行っても、あまり力に乗ってくれない場合があります。
それに、警察は、あくまで犯罪を捜査するところですので、お金の返金をサポートしてくれるわけではありません。
そのため、警察に行くのと同時に、弁護士にご相談いただいたり、地域の消費者生活センターに行っていただくのが大事だと思います。
では、弁護士に相談に行った場合、弁護士は何をするのでしょうか。ものすごく高額の弁護士費用を取られるのではないか、と不安に思われるかもしれません。
一般的に、弁護士にご相談いただいた場合、弁護士は、依頼者の方から、どのようなことがあったのかという事実関係を聞き取ります。いつ、だれが、どこで、どんな勧誘をして、なぜお金を支払ってしまったのかなど、丁寧に事実関係を聞いていきます。そして、お話を裏付ける証拠(資料)があるかについても、一緒にチェックしていきます。
そして、離婚や相続といった相談とは違って、「騙されてしまった」というタイプのご相談の場合、相手が分からないということが時々あります。
離婚事件、相続事件などでは、相手が誰であるか、どこに住んでいるかについて問題になることは決して多くありませんが、詐欺、投資被害トラブルの場合、加害者は偽名を使っていたり、身元を隠して近づいてくることがあり、相手がどこにいるのか、どんな素性なのかがわからない場合があるのです。
その場合、住民票を取り寄せたり、弁護士法という法律を使って、丹念に調査を行います。過去、私が担当した事件では、名前は不明のままで訴訟提起してから、裁判官と協力して、身元を特定したこともあります。この点は、詐欺・投資被害トラブル事件の特徴ともいえる点です。
そして、相手が特定できた場合には、相手に返金を求めることになります。返金に応じてくれない場合や、連絡しても無視される場合があります。また返金を求めるよりも、すぐに裁判所に訴訟を提起することが適切な場合もあります。
裁判を提起した場合、裁判のなかで、お金の返金を求めていくことになります。
裁判を提起しても、返金できない場合はもちろんありますが、何等か行動を起こすことで返金される場合もあります。もちろん、全部じゃなくても、一部返金される場合もあるのです。
この点からも、弁護士や関係機関に早期のご相談をしていただくことをお勧めします。
なお、弁護士にかかる費用についてですが、まずは法律相談として、5,000円/30分(税抜)でいただいている弁護士が多いと思います。
私は、事件として受任する場合には別途、着手金・報酬金の見積もりを出すことが多いです。
弁護士が提示する着手金・報酬金はどのようにして計算しているのか、よくわからないという話は聞きます。それもそのはず、相手のいることですし、どれぐらい裁判が続くのか、どれぐらい大変なのかがはっきりとわからないことが多いからです。
着手金は事件を受任するときにいただくお金で、報酬金は、事件の成功に応じていただくお金です(ということは何も得られなかった場合には報酬金は発生しません)。
ケースにもよりますので、一概にはいえませんが、例えば、500万円を返してほしいという場合で、150万円回収できた場合には、着手金は34万円(税抜)、報酬金は24万円(税抜)というところでしょうか。
着手金を分割にする場合もありますし、着手金を減額して、報酬金を多額にするという契約にする場合もあります。 弁護士費用の一般的な説明は費用のページでもご説明していますが、事件ごとによって違いますので、弁護士に事件を依頼する場合、必ず質問して、疑問を解消しておくことが重要です。