どうして政治家は活動するために、お金が必要になるのでしょうか。

〔この記事のまとめ〕

 一生懸命活動すればするほど、様々な活動費がかかるので、お金が必要になります。

〔本文〕

 よく、「政治家はなぜお金が必要なのか?」という声を聴きます。政治家は高い歳費(お給料のようなもの)をもらっているのだから、それ以外にお金が本当に必要なのか、という声です。

 私は、政治家の歳費削減とか、議員定数の削減については、積極的に進めるべきだとは考えていません。政治家は責任も重い仕事ですから、高給であっていいと思っていますし、余裕のある生活をしてもらって構わないと思います。「貧すれば鈍する」という言葉があるように、日々の経済状態が苦しいと、政治家として余裕ある振舞いができないと考えるからです。

 しかし、その代わりといっては何ですが、一生懸命活動していただきたいと思っています。現在の社会の状況や困難の声を聴いて、自分が持っている知見や知識を駆使して、合理的な考え方をもって、解決策を出そうとしてほしいですし、そのような政治家であれば、たとえ政治的な考え方が異なっていても、応援したいと思います。

 そして、当たり前ですが、一生懸命活動すればするほど、お金がかかります。例えば、街を歩いていると、(都市部では)政治家が駅などで街頭演説をしているのを見かけます。そこではチラシをもって、有権者に働きかけています。

 まず、そのチラシは議員が責任者となって作っています。デザイナーと相談してデザインをしているでしょうし、印刷も会社に頼んでいるはずです。場合によれば、そのチラシを全戸配布していることもあるかもしれません。

 まず、この時点で数十万円以上のお金がかかるはずです。配布枚数が広ければ、その分、費用も増えます。

 他にも、(議員によって様々ですが)議員の事務所を構えている人もいます。その場合には、賃料がかかっています。事務机を買い、コピー機なども置く必要があるかもしれません。さらには、秘書を雇っている人もいます。

 国会議員となると、地元の秘書と議員会館の私設秘書もおり、この支払も議員が行います。

 国会議員が、重要な政策について提案しようとしたときには、省庁の担当者と相談することがあります。説明(レク)をしてもらうこともあります。ただそれだけでなく、自分で政策を研究したい場合、スタッフを雇うことがありますが、その人件費も議員もちです。

 議員として、街の声をきちんと拾いたいと思い、イベントなどを行う議員もいます。日々の生活の苦しさをきちんと伺って、それを政治に届けようとするものです。ほかにも議会の様子を報告するための国政説明会(国政報告会)を行っている議員もいます。ただ、イベントをするには、会場を借りなければいけませんし、会場費が必要になります。

 このように、議員として十分な活動をしようとすればするほど、お金が必要になってくるのです。だからこそ、献金を受け付けたりするというわけです。

 しかし、これが進みすぎると「政治とカネ」の問題が起きます。特定の業者から献金を受けるようになると、おのずと、政治家はその業者を無碍にはできなくなります。その結果、業者を有利に扱ったり、口利きをしたり、政治を歪める原因となります。

 政治家のお金の使い方については、政治資金規正法によって公開する建付けにはなっています。公開によって、国民の監督・監視がなされることになります。

 また、このような口利きや不正の温床を防ぐために、企業献金を禁止すべきであるという主張がなされています。

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