自宅の押し買い・訪問購入被害にあったら、どうすればよいでしょうか。

〔この記事でのまとめ〕

すぐにご相談ください。取引の状況、ご相談者の認知レベル、自宅の売却価格などを中心に事実関係をお聞きして、適切なアクションを取っていきます。

〔本文〕

自宅の押し買い・訪問購入被害とはどのようなものですか?」のブログでもご説明しましたが、現在、押し買い事案・訪問購入被害が頻発に起こっており、社会問題になっています。

言葉巧みに、老後の不安をあおり、ご自宅を売却させようとするものです。

このような被害に遭われていたら、すぐにご相談いただきたいと思います。

そして、すぐに契約書を確認します。名義が本当に変わっているのか、不当な取引内容でないのかを確認します。被害に遭われた方はどのような気持ちだったのか、どのようなおつもりだったのかについてもお話をお伺いします。

もしも、何等か問題があった場合、業者に対して契約の無効・取消を求めるべきでしょう。どのようなロジックを使うかは、ケースバイケースですが、まずは、家の売却を決まってしまった契約(取引)の巻き戻しにトライする必要があります。

事案によっては、業者は、すぐに転売しているケースもあります。その場合には、転売した先に名義をもどすよう求めていくのか、それとも、業者に対して、お金の返還を求めていくことなどを検討します。

平成27年4月28日に東京高等裁判所が(消費者法ニュース113号225頁)言い渡した判決では、当時87歳の女性が所有していたマンションを700万円でA業者が買い取り、そのA業者はすぐに別の業者であるB業者に1350万円で売却したというものでした。

東京高等裁判所は、87歳の女性の自宅売却にあたっては、理解力・判断能力が欠けていたとして、それにもかかわらず、ご高齢者から家を購入したとして、A業者、A業者の関係者などの責任を認めました。

転売先にアクションを取るにせよ、(だました)業者にアクションを取るにせよ、そこで重要になってくる一つは、ご相談者の認知機能レベルです。やはり認知症を患っていたり、認知機能検査で一定の点数以下であれば、契約(取引)を巻き戻す重要な根拠となります。

また、売却の対象になった自宅が普通に売却すれば2000万円なのに、それが1000万円で業者に売却してしまったなど、不当に安く売れている場合、この状況も、契約の巻き戻しの重要な証拠となります。

ご自宅は大切な財産です。早めのご相談が解決につながる場合もあります。ご相談いただければ、取引の状況、ご相談者の認知レベル、自宅の売却価格などを中心に事実関係をお聞きして、適切なアクションを取っていきたいと思います。

Copied title and URL