〔この記事のまとめ〕
言葉巧みに相手を騙して、仮想通貨を振り込んでしまったり、婚活アプリで知り合った人に多額のお金を振り込んでしまう詐欺が流行っています。
決して、回収は楽ではありませんが、場合によれば、回収が見込める場合もあります。スピーディーな動きが重要です。
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昨今、仮想通貨をめぐるトラブルが増えています。ビットコイン、イーサリアムなど、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
通貨という名前から連想されるように、インターネット上での取引で用いることができたり、個人間での送金のように用いることが出来ます。ただし、一方で、日本銀行のように管理している機関があるわけではなく、価値もアップダウンします。貨幣や硬貨というものはありません。
最近は、投資目的で保有する人も多く、「仮想通貨」に対する投資ブームともいえるでしょう。
しかしながら、一方で、仮想通貨に関するトラブルも激増しています。
仮想通貨を投資目的で保有する人が多いことから、昨今は、企業による説明会、セミナーなどが開かれているようです。
セミナーの内容は様々で、仮想通貨の保有によってどれだけ儲けることができるかといったテクニックの説明から、新しい仮想通貨の勧誘まで、幅広いといえます。
例えば、あるセミナーに参加したところ、有名どころの企業人が名前を連ねていて、絶対に値上がりする仮想通貨で、高額の日本円を投資するよう勧誘されました。しかし、日本円を支払ったものの、予想に反して、仮想通貨が値上がりすることはなく、大幅に損をしてしまったというケースが想定できます。
こういった事件の場合には、本当に最初から騙すつもりであったのかを見極めるのは難しいことも多いですが、自分の生活レベルを超えた支払いを求められたり、絶対に儲かる、絶対に値上がりするなど、勧誘方法そのものに問題があるものも少なくありません。
また、他にも、「国際ロマンス詐欺」も増えています。
婚活アプリに登録したところ、いきなりメッセージを受信。その方と話が弾んで、近いうちに会わないかという話をしていた矢先に、仮想通貨購入を勧められ、言葉巧みに100万円振り込んでしまった。
昨今、結婚するカップルのうち、出会い系のアプリによって婚姻するカップルが増えています。それだけ、婚活アプリは、我々の生活にとってなじみのあるものになっています。
ところが、婚活アプリ内でも詐欺問題が横行しています。
よくあるのが、婚活アプリを利用するAさんのもとに、Bさんから「とても素敵ですね!ぜひつながりましょう」などとダイレクトメッセージが届いて、仲良くなるうちに、Bさんから、仮想通貨の支払を求められ、Aさんが(日本円をわざわざ換金して)仮想通貨によって支払ってしまうというケースです。このようなケースの場合、仮想通貨の送金が終われば、その後、連絡が取れなくなることがほとんどです。
この被害は本当に今増えていて、数百万円規模のお金を詐られてしまう人も少なくありません。
このように説明すると、いきなり現れたBさんからのメッセージをそんなに信用するものかと思われてしまいそうですが、詐欺師のやり口は本当に巧妙で、例えば、自分の親と思われる人の写真を送ったり、自身の免許証(これも偽造であることが多いのですが)を送ったりして、さも真実であるかのように装うのです。
いずれの詐欺問題も、決して許されるものではありません。お金をなんとか回収する必要があります。
ただ、仮想通貨による詐欺トラブルは、回収可能性が乏しいと言われることが多いです。特にロマンス詐欺の場合には、詐欺の相手方と、出会っておらず、相手が何者かがまるでわからないことや、仮想通貨の送金だと、そもそも相手がその仮想通貨をいつどこで日本円に換金したかを辿ることが難しいからです。
一方、投資目的で仮想通貨の勧誘をされて、日本円を銀行で送金するような場合には、相手が何者かがわからないということではないので、工夫すれば、回収可能性があるといえます。その場合でも、初動が重要ですので、誰に、どのような説明を受けて、どれだけ投資したのかといった事実関係をお伺いしたうえで、スピーディーに動いていく必要があります。