秘書給与に関してはどんなトラブルが考えられますか。

〔この記事のまとめ〕

 秘書が受け取る給与は秘書が受け取るべきものです。また私設秘書を企業が派遣するという場合にも気を付ける点があります。

〔本文〕

 国会議員に就任すれば、政策担当秘書、公設第一秘書、公設第二秘書をつけることができます。これらの秘書の給与は公費として、国から支払われます。そして、国会議員によっては、それとは別に、私設秘書を設けている議員もいます。私設秘書の給与は、公費からは出ません。

 国会議員の仕事はたくさんありますので、仕事をサポートしてくれるために、秘書は多い方が越したことがありません。

 ただ、秘書が受け取る給与に関してはトラブルが多くあるので、気を付けるべきことが多くあります。

 まず、秘書として働いている実態がないのに、政策担当秘書、公設第一秘書、公設第二秘書として登録して、秘書が受け取るはずの給与分を議員(の政治団体)が寄附として受け取ることなどはあってはなりません。これは、詐欺罪にもあたりかねない行為なので、絶対にやめるべきです。特に、国会議員として当選したての頃は、秘書のリクルートがまだ進んでいないからか、名前だけ登録して給与分を受け取りたいと思ってしまうと聞いたことがありますが、あってはならないことです。

 他にも、懇意にしている企業や、懇意にしている団体から「うちの従業員や職員を秘書として使ってくれませんか?秘書の給与分は当社が負担しますので・・・」と申出を受ける場合があります。

 議員側からすれば、ありがたい申出にうつりますが、過去、このような申出を受けて、問題になった例があります。もしも、このような申出のとおり、会社の従業員を国会議員の事務所に常駐させた場合(従業員の給与は会社が負担)、議員側からすれば、会社から寄附を受けていることになります。会社や労働組合が国会議員(の後援会等の政治団体)に対して寄附することは法律によって禁止されているので、このような行為は違法です。

 また、会社や労働組合が、政党(支部も含む)に対して寄附をすることは認められているので、会社の従業員を政党の事務所に常駐させることは問題ありませんが、その場合には、給与相当分を寄附として受け取っていることを意味するので、政治資金収支報告書に記載する必要があります。

 ほかにも、秘書が、自分がもらっている給与から、議員(の政治団体)に対して自発的に寄附をしたいという場合があります。これは、自発的な申し出である限り、許されます。しかし、議員と秘書では大きくパワーバランスが異なることから、議員側が秘書に対して寄附を強要したとうつりかねません。寄附を強要している場合には、秘書給与法21条の3に違反してしまうので、気を付けたいところです。

 また、国会議員と地方議員は兼業することができませんが、地方議員を行いながら、秘書として活動することは、国会議員が許可して、それを議長に届出すれば許されるとされています。その場合、地方議員として歳費をもらいつつ、秘書としても給与をもらうわけですが、地方議員も秘書も専門性があって、多忙な職種ですから、これらを兼務することは現実的には難しいように思います。

 それにもかかわらず、もしも兼務できているとしたら、本当に睡眠時間を削って心血を注いで働いているか、それか仕事をサボっているかのどちらかでしょう。地方議員としての歳費も秘書の給与も、国民からの税金を原資としていますので、あらぬ批判を受けることを避けるためにも、控えた方がよいと考えます。

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